神戸 bar DYLAN マスターの音楽プログ


by bar-dylan
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ:DYLAN's Album( 5 )

Christmas in the heart(2009)

c0161915_14184135.jpg


"the Christmas song" の歌詞にジャック・フロストという名がでてくるが、これはイギリスに伝わる悪戯好きな面霜の妖精のことであり、その姿は小人であったり白髪の老人、はたまた雪だるまであったりするそうだ。ディランを比喩するには言い得て妙であり、実際彼は長い間仮名としてこのジャック・フロストを使っている。

まったくご機嫌なクリスマスプレゼントだ。アレンジもディランのユーモアに的確で、ロリータボイスのコーラスや息が切れそうな程のテンポでの合唱、誰も知らないヴァース、フィル・アップチャーチのギター、鈴の音など聞き所満載である。ディランの声がすべてに反比例してるようで素晴らしい。子供たちは泣き出してしまうかもしれないが、個人的にはやはり素晴らしいクリスマスアルバムとなってしまう。

おとなになってしまう自分自身の為に一枚どうですか?ちなみにこのレコードの売上はフィーディング・アメリカ、クライシス・UK、世界食料機構に全額寄付されるそうですよ067.gif

さらに、ディラン2010年3月来訪のニュースも本当にうれしいクリスマスプレゼントになりましたね。みなさま、メリークリスマス068.gif

c0161915_15651.jpg せっかくですからクリスマスアルバムのお薦めもう一枚。ジェームス・テーラー。恋人たちは必ず聴かねばなりませんよ。ディランと聞き比べてみるのもおもしろいですね。

[PR]
by bar-dylan | 2009-12-24 15:16 | DYLAN's Album

Together through life(2009)


c0161915_1135214.jpg


このアルバムを手に入れて1ヶ月、随分と私は彷徨って渋滞してしまっていた。またしても傑作の予感、不思議な違和感、ブルースという言葉、アコーディオンの音色、68歳のボブ・ディラン…。誤解を招くには十分な要素が詰まっている。よくよく思い返してみればいつもの事なのだが、またしても彼の魔法に嵌められてしまったようである。そんな誤解がふと解けるのは、きまって雨で暇な日曜日の夜なのだ。

ロバート・ハンターとの共作で無い唯一の"this dream of you"が着想である。この曲を軸にしてアルバムが完成されている。アコーディオンの音色を前編に散りばめた理由だ。"dream"という単語についてあまり良いコメントを残していないボブ・ディランであるが、"series of dream""dreamin' of you"という傑作アウトテイク発表の流れからしても、このタイトルは出色である。彼の場合、振りの脈略があるなら意図的な結論のようにさえ感じさせてしまう。偶然を奇跡に変える天才はいまでも賛美歌のように輝いている。
"I feel a change comin'on""Life is hard"といった佳作を枝に挿せば、間に得意のオールド・ディラン・ブルースを嵌め込んで傑作は完成する。半世紀近くに及ぶ変わらぬ手法、完璧である。

"Love and Theft""Modern Times"と、この"Together Through Life"が3部作めいた印象を感じさせるのも罠である。ジャック・フロスト(ディラン自身のペンネーム)がプロデュースでとても「まとも」なアルバムが続いているように感じるが、ただのこれも誤解である。終焉への形作りという馬鹿で不気味な発想に陥らない為にも、はっきりさせておく必要がある。そう、ただの偶然、そしてどれも「まとも」ではない。

CDが売れない時代に"Together Through Life"がUKとビルボードのチャートで1位を獲得した事実を彼はどう感じているだろう。いつものように私は二枚組みのレコードで購入したが、その中に初めてCDも同封されていた事も追記しておきたい。ディランらしい時代へのメッセージをまたしても私は受け取ったように感じたのだ。ん、そもそもそれが罠なのか、、、

ともかくもディラン、68歳のお誕生日おめでとう071.gif


[PR]
by bar-dylan | 2009-06-02 13:47 | DYLAN's Album

The Freewheelin' (1963)

何もかも語られつくされたアルバム。歴史的傑作であり、ディラン、思いも寄らぬ神格化を招く発端。この凝縮された記録は、追随を許さぬ芸術表現であり、人智及ばぬ魔力。

c0161915_16512841.jpg



"Corrina, Corrina"という小品がさりげなく飾られている。偉大なる本当の紳士・Sr.ジョン・ハモンドによるDick Wellstood (piano), Howie Collins (guitar), Bruce Langhorne (guitar), Leonard Gaskin (bass) Herb Lovelle (drums) という一流のJAZZバンド構成で、演奏ももちろん4ビート。ディランはまるで歌手のように嬉しそうなさわやかさだ。

簡単なメンバー紹介をしておこう。

Dick Wellstood (piano)・・・1940年代を代表するビバップ・ストライドピアニスト。Ralph Suttonと双璧。古典的な演奏者と思われがちだが、後期は同時代のそれとは一線を隔し、モンクさえ愛した。

Howie Collins (guitar)・・・ビル・エバンスとの共演など、モダンジャズ移行期に活躍した名手。数々のJAZZアルバムでその名を刻んでいる。

Bruce Langhorne (guitar)・・・1960年代の最も重要なセッションギターリスト。Bringing It All Back Home でもディランと共演している。身体的なハンデを覆すその天才的なギターワークはマイク・ブルームフィールドをしても尊敬させた。ちなみにディランのMr.タンバリンマンは彼のことである。

Leonard Gaskin (bass)・・・彼も40年代を代表するベーシスト。ガレスピー、パーカー、エロール・ガーナー等との共演。50年代半ばにエディー・ゴンドンのデキシーバンドに入りスタジオ・ミュージシャンに転向する。

Herb Lovelle (drums)・・・古典派ジャズドラムの名手。テデェ・ウィルソンやアール・ハインズとの共演。50年代にはR&B、60年代にはディランやデイビッド・ブルーの伴奏、80年代にはなんと俳優としてデビューしている。


重要だと思うのは、この時ディランが語りではなくメロディーを歌っているということ。

はたして何を感じたか・・・。Sr.ジョン・ハモンドの絵の具がディランという天才のキャンバスに撒き散らされたのだ。何も起こらないわけが無い。世界史にも綴られる奇跡が始まる、まさにその記録であるように思われるのだ。

[PR]
by bar-dylan | 2009-01-30 18:16 | DYLAN's Album

Modern Times  2006

c0161915_1740268.jpg



偉大なる芸術家の研鑽は「無状」という言葉さえも具現化してしまう。たとえ生涯同じ絵を描き続けたとしても、日々それは様相や色彩を変え、心の喜びや挫折を繰り返し内包しながら、決してひとところに落ち着くことを知らない。やがてその長い年月は多くの作品を生み出し、傍観者である人々は振り返るたびにこの「無状」という言葉を実感できる。
このアルバム『Modern Times』は、そんないまだ儚くも時間に切り取られたボブ・ディランのユーモア、これからも続く研鑽の過程だと祈りたい。不安なのは、ディラン自身がとらわれずまったく解き放たれていて、このアルバム一瞬でそんな「無状」を私に感じさせた点。そして、”Ain't Talkin'” の最後の音。
まるで表現の境地に達したディランの姿を聞きながら、消えてなくなりそうで、ひょっとしてこれで最後になるかもしれないと思うと、言葉はなく涙がでる。




『荒野の狼』 ヘルマン・ヘッセ著 ユーモアについての芸術小説

Jack Frost ボブ・ディランのペンネーム 『Modern Times』のプロデューサー

”Thunder on the Mountain” for Alicia Keys
”Rollin' and Tumblin'” from Muddy Waters
”Workingman's Blues #2” for Merle Haggart
”The Levee's Gonna Break” from Memphis Minnie
”Beyond The Horizon” from Bing Crosby ”Bells of St. Mary's”

[PR]
by bar-dylan | 2008-07-24 17:41 | DYLAN's Album

OH MERCY 1989

c0161915_17161737.jpg



1989年、ダニエル・ラノアは例えるなら『最強の保険外交員』であり、『末期患者であるディラン』と最高額の契約を結んだ挙句、その病をすっかり治してしまった。彼のおかげで私たちはいまでもディランの新作が聞けている。少し思い返せば、技術革新が多くの芸術分野で担い手を完全に失わせた時代である。行き場をなくし路頭に迷う『古い天才』の姿は容易に想像がつく。だが、いかなる形であれダニエル・ラノアはディランに創造をやめさせなかった。
その意味でも『OH MERCY』は紛れも無く傑作である。
自己啓発と自己批判を繰り返すような物語は、閃きを無くしたただの凡人の姿だ。ダニエル・ラノアがディランに『時代は変わるのさ、帝国も砂に帰るように…』と罵倒している、誇張された音のひろがりの中で!しかし、ディランの恐るべき化学反応体質は、確信的に打ちのめされたマゾの高揚を見事にエネルギーに昇華させた。これは奇跡のように生き返っていく姿だ。ここで二重螺旋の本質が見事に集約され、表現されていく。
おまけをいうなら、「Series of dream」を外したディランの感性がすごい。『ダニエル・ラノアのやりすぎ』を咎めて、このアルバムを最終的に掌握する。エンディングは「Shooting Star」でなければいけなかった。「Series of dream」の入り込む隙間はない。
『OH MERCY』でディランは本当の偉大なる復活を遂げる。    noted at 2005/09/28



The Neville Broth

ダニエル・ラノア「Oh Mercy」製作直前のプロデュース作品が「イエロー・ムーン」 ギター・ブライアン・ストルツ、ベース・トニー・ホール、ドラム・ウィリー・グリーンはバンドメンバー、末弟のシリルもパーカッションで参加

映画 『 ハイ・フィデリティ HIGH FIDELITY

ニック・ホーンビー原作の中古レコード屋を舞台にした恋物語。面白いので見てください。Most Of Timeが挿入歌で使われています

[PR]
by bar-dylan | 2008-07-24 17:22 | DYLAN's Album